平日
2013.11.19
入籍した。
今朝早起きして、仕事に行く前に左京区の総合庁舎に行って届け出をしてきた。
総合庁舎がある松ヶ崎まで、鴨川沿いをチャリで北上していく道すがら
桜の並木がまばらな黄色とか赤に紅葉していてとても美しかった。
出町柳まで来たところでなんかすっごい細い道にさぶろうが入っていったので
後ろをついていくと、とんでもない砂利道があった。
いつまで続くのか分からないゴロゴロした道に翻弄されて
自転車は全然進まないし、なんでこういう日にこんな道を選ぶのか彼の心が
よくわからないし、何だったらだんだん腹がたってきた。
北大路辺りまで来たら目の前にやっと普通の道が現れた。
よし!と思ってそちらに進もうとしたら、さぶろうがなおも川沿いに続く砂利道へ進んでいこうとしたからすぐさま止めて
平坦なアスファルトの道路の恩恵を受けた。危ないところだった。
うろうろ道に迷ったけどなんとか受付の開く8時半に役場に着いた。
一番乗りだった。物腰の柔らかいおっちゃんが対応してくれた。
でも時間が、、ない。
こんな大事な、多分この先何年経っても忘れられないような瞬間だというのに
わたしの頭の中はこの後の仕事に遅れないかどうかでいっぱいだ。やきもきやきもきしている。
大学での仕事が始まるのは9時。少なくとも9時10分前には教室を開けないといけない。
ということは40分には役場を出なくちゃならない。
役場において10分間でできる書類の処理なんて
何一つないことはわかってたはずなのに、なんで朝に来ちゃったんだろう…
昨日の私がさぶろうにもっと強く「提出は昼休みにしよう!」と言っとけばなあ…
と、脳裏をよぎっていく自分の判断の鈍さを呪った。
婚姻届の処理がひととおり終わったら、おっちゃんが「それじゃあ保険のなんとかかんとか…、後ほど呼ぶからそこの椅子で待っててくださいね」と言ったので申し訳ないけれどあとはさぶろうに任せて出てきた。
さぶろうだけじゃなくあのおっちゃんにも申し訳なくて気分は最悪だった。
でも猛スピードで大学に行かなくてはいけない。
最短の道を行こうとしたら、さっきとは対岸の鴨川に出た。
そしてそこにもやっぱり砂利道があった。引き返せないスピードとUターンできない道の細さのせいで、わたしのチャリはまた砂利の上をゴロゴロいわせながら駆け抜けていった。砂利は無駄に脚の力を持っていく。疲れた。朝9時なのにもう疲れた。
嬉しくも寂しくも腹立たしくもあり、かつ申し訳ない気持ちがまざりながら仕事をした。
仕事をしている最中、もう成田という名字は使えないのか と思うと
成田姓でもっと何かやっときゃよかったと思った。手紙をかいたりとか。
役場で住所を書き換えたときに、新しい名字とずっと使い続けてきた名前を書き込んだ。
口に出して名乗るのはいつなのだろうと思う。今日はまだ使っていない。