撮影撮影の日
2012.7.30
前日はスクーリングのアシスタント、前々日はFOILと空デの展示撮影。
左足の具合はよくない。
新幹線に乗って、わくわくと東京へ向かう。お昼前。
夏休みで混雑気味の車内。子供が歓声をあげている、隣の席の男性は窓側の席なのにひたすらに携帯電話を触っている。
通路をはさみたくさんの食べ物を食べているおばちゃん。もう12時くらい。
本州は大きな都市部の他はほとんどかわりばえのしない景色。
またはそういった土地に新幹線の線路は作られるのか。
山、田んぼ、竹やぶ、鳥居、誰かの家、畑、工場、山、田んぼ、夏の緑はこんなに美しかったか。
思わずこの緊張とわくわくを東京に置いて山形へ帰省したくなる。
始まる前がいちばん楽しいけど、本当は撮影中の、見せてもらえるかもらえないかの
やりとりの繊細さが一番尊いと思う。
胃の調子があまりよくないけど、おなかがすく。販売カートに残された食べられるものはカツサンド、ホットコーヒー…。
移動しながら食べる物は独特に旨い。
乗り継いで原宿に到着、撮影まで1時間ほど打ち合わせ。
何というか弦人さんのディレクションのもとで撮影するのに、不安になることなんて少しも無いのだと気がつく。
スタジオまで歩いて、荷物置いて、公園の下見に行って、戻って、セッティング。テストする。
最初にボーカルの尾崎さんを撮影、モノクロ。目と髪の毛。
うたってもらいながら撮る。少しずつ指示するけどうたってたら何も必要ない。
少し目を伏せたり、ほんのちょっと角度が変わるだけで色んな美しさを分けて見せてもらっているよう。
爬虫類とほ乳類、サメとトカゲとネコと犬の目が混ざっていると弦人さんが言う。
本人は”サメですかー?!”とか驚いた顔をするけど、小にくい人だ、美しい仕事を見た気持ちになる。
4人のアー写も撮って公園に移動。夜もやっぱりいい感じの場所。
煙を風になびかせるのがだんだん上達していくスタイリストさんや、メイクさんたち4人の手によって
煙に包まれるメンバー4人。離れてこの映像を撮りたい…。
終了後、みんなとわかれて弦人さんとかおたんラーメンへ。
スーパードライ、餃子、腸詰め、メンマで乾杯。
15分ほどするとスタイリストさんが現れて、メンバーやスタイリストさんと合流。皆でパーっと打ち上げる。
解散してI loveけんちゃんへ連れて行ってもらう。変なお店だけど、何だか居心地がいい。
金髪のけんちゃん、ラモスのいとこみたいなダンディーなおっちゃんと物腰の柔らかな
色っぽい彼女のお姉さん。私がヨーロッパに生まれていたらこのお姉さんをモデルに女神像を作ると思う。
ほかにも知らないおっちゃん、若いおねーさん。ぎゅっと8人くらいでいっぱいになる店内。
芋焼酎で乾杯をしてオリンピックを見る。
はす向かいの色っぽいお姉さんが、やってきた深い色の肉を見て、すごい一言を発して一気に心奪われる。
そういったらお姉さんはにっこり笑い、けんちゃんに褒められた。
そういえばラーメン屋で偶然にも服部さんがお店に入ってこられて、3年ぶりくらいに再会する。
とはいえ初対面以来。
飲んでいたら外を通りがかったお姉さんがこちらを見ている。
弦人さんが気づき”あれー?”と手を振るとその日ともまた振り返す。
一緒に飲んで、ずっと近く遠く関わっていた方なんだと教えてもらう。すごい、出会いの日。
弦人さんのバッタリ運の強さ。。
ひとしきり柔道を見ながら話し続け、閉店。
SBにお邪魔する。今日の写真を見返す。
セレクトに迷っていると”オレはもう決まったぞ”と恐ろしいほどの仕事の速い声がする。
正面を向いているボーカルの写真を見て、”食べごろの果物みたいだねえ”と言ってる、ほんとうだと思う。
でも、次の瞬間ソファで眠っている。すみません。
撮影中にうたい続けてもらっていた歌声が何だか頭の中で繰り返されている。
4人とも美しかったのだ。