目ばかり
2013.1.29
加納さんの展示を見てきた。
つくづく写真というのはそこにあった物のレンズと向き合っていた面を撮るものだなあと思う。
以前は表面を撮っているのだと思っていたけど少し違う。
ときどき考えるんだけど、人の体の皮膚がもともと透けていたらそれでも恋をするんだろうか。
心臓とか丸見えの状態で愛し合ったり出来るものなのかな。
会田誠、ゲルハルト・リヒター。
表参道ヒルズPHOTOGRAPHY、中藤さん吉野さん。1月の週末はいろいろと展示を見ることが出来た。
今井智己さんの福島の写真を見逃したのが心残り。都写美も見逃してしまった。
ワタリウムの新政府展と木の実展。
1日のうちに何件かぶっ続けで展覧会を見ることは、少し前までは頭の中がごちゃっとして苦手だったけど、
いまはいくつか見た上でそれぞれの展示から何を捉えられたのかを見渡せるような感じがするからかえってちょうどいい。
リヒターの展示は自然現象のようだなと思った。見るだけであんなに体験している感じがするなんて。
会田誠さんの、面白かったなあ。作品一個一個がとても能弁だった。
坂口さんはあんなふうな絵をかく人だったんだ。
森本さんはあんなに強い物作りをする人だったんだ。
渦巻きのような台風のような、ものすごいパワーを見てしまった気がした。
京都にもどって、自分の展示のことを考える。
まだ消化できていない思いが沢山あったので
口に出すまいと思っていたけど、事務所に行ったら話してしまった。
年末年始に帰省した時に撮った写真をみたら
母が年をとっていたことを自覚した。すごくびっくりした。
変な言い方だけど、わたしはまだ母が若くて美しいと思っていたんだ、と
自分のなかにあった母への神性を揺らがされた気がした。
要するにフィルターをかけて見ていたんだなと、久しぶりに
見ていた物と出来上がった写真とのギャップを感じた瞬間だった。